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良いシャツの見分け方
Update: 2014.06.17 | シャツについて
良いシャツの条件とは何でしょうか?
サイズが着る人の体に合っていることは、なによりも大切です。
しかしサイズがあっているのに、着心地がよろしくないというのでは困ります。
着心地は、往々にしてシャツの仕立てに左右されます。
それは主に可動部=肩周りに表れます。既成品のシャツをいくつか並べてみてみると、ボディと袖の脇線が、
脇下でズレているものと一直線につながっているものとの2種類あることがわかります。
カミチャニスタのように脇の縫製線がズレているものは「マニカスポスタータ」と呼ばれる、
シャツのボディと袖を別々に作ってから縫い合わせたものです。
こうすることで腕を上げた時に脇下が突っ張ることなく自然な着心地を実感できます。一直線の縫製は見た目に美しく見えますが、コストを抑えるために工程を省略している場合がほとんどです。
袖と身頃を先に縫製してから脇を一気に縫い上げるため、脇下に突っ張る感覚が残ってしまいます。もうひとつは、肩部分です。
シャツは前身頃と後ろ身頃をTシャツのように縫い合わせたものではありません。
肩から背中にかけて「背ヨーク」と呼ばれる、もう1枚切り替えたパーツがあります。
このパーツがあることで、厚みのある人間の体を立体的に包むことができるのです。
肩部分を立体化させるため、後ろ姿を美しく見せてくれる効果もあります。人の背中は背骨を中心に肩先にむかって三角屋根のように形成されています。
そのため背ヨークは1枚で作るより、左右2枚に切り分けて、
角度をつけて縫製しなおしたほうが、より立体的に背中を包み込むことができます。
これを「スプリットヨーク」と呼びます。
肩や背中の動きにシャツが追随する、良いシャツの作り方です。ほかにも高級シャツに使われる本白蝶貝ボタンを使っていたり、
ボタンが大きく開いて掛け外しが容易な「ジリオ(ユリの花の意)」と呼ばれるボタンの付け方がされているなど、
細部まで気を使っていることがわかるシャツは、良質なシャツといえるでしょう。もちろんカミチャニスタは、これらすべてのディテールを採用しています。