今回はシャツではなく「スーツのお手入れ」について書かせていただきます。

一日着たスーツは、次の日一日休ませるのがお約束です。これはスーツが吸った湿気を放出させ、生地の撚れを自然回復させるためです。スーツが元に戻らないまま着続けると、繊維の癖がもどらなくなり、生地のへたりが早くなるのでスーツの寿命を縮めてしまいます。
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脱いだスーツは、まず丁寧にブラッシングします。肩や衿部分の埃を払い、肘や背中のシワを整え、ステッチ部分も生地の織り目に沿ってブラシをかけます。ハンガーにかけたままブラッシングするのがやりやすいでしょう。パンツも同様に、フロントの細かな部分、膝裏のシワ、裾のダブルの折り返しの中も丁寧に埃を払います。

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ブラッシングを終えたスーツは、ハンガーにかけたまま風通しの良いところで陰干しします。まだシワが残っていてもかまいません。良質な素材を使っていれば、陰干ししておくだけで、細かいシワは自然と回復してきます。このとき注意すべきはハンガーです。スーツに針金ハンガーはもってのほか。肩の部分に厚みがあり、きちんと旗幅の合ったサイズのハンガーを使いましょう。購入時に木製ハンガーが付属していたスーツは良心的です。そのハンガー、大切に使いましょう。


シャツのケアの中でもアイロンのかけ方が「難しい」、「時間がかかる」というお声をよく聞きます。
難しいとか時間がかかるとか色々なお声を聴きますが、やり方さえ一度おぼえてしまえば
そんなに難しくは、ありません。
なれてしまえば1枚5分くらいでかけることができます。
アイロンは、ご存知のように熱いので、手で触らないでください。

アイロンのレシピを用意しますのでご覧ください。
この通りであなたもアイロン名人になれるかも。。。。です。

[用意する物] ①アイロン ②アイロン台 ③霧吹き


シャツをプレスする際に下記の点に留意しながらプレスすると上手くできます。


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1. プレスする順序はしわになりにくい生地厚の箇所からで、初めに襟の裏からかけます。
 
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2. アイロン台を広く活用しながら手でシワを伸ばす。
 
左手で布を引っ張りながら襟の先端から中央へ。
次にアイロンを左手に持ち替え、左半分も端から 中央へかけます。
また表も同様にかけるとプレスの仕上がりが綺麗になります。
 
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3. カフス部分
 
こちらも同様に裏からプレスし端から中央へ。
この際に袖口の開き部分も裏からかけておき、その開き部分からカフスを
二つ折りにし、プリーツを手で押さえながらプレスします。
 
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4. 表も同様に裏からプレスし、先程整えたプリーツをつぶさないよう気を付けて、
指で引っ張りながらプレスします。   
 
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5. 次にヨーク部分は襟を立てヨーク部分をアイロン台に水平に置き、
端から中央へ軽くかけていきます。
 
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6. 袖部分
 
そで下の縫い目で折りたたみ、全体のシワを伸ばし整えた後にプレスします。 
 
 
7. また袖ぐり、袖山、袖口、袖口の開きの順に縫い目を引っ張りながらかけていきます。
 
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8. 裏返して表の袖全体をプレスしてください。
また表の袖口は裏に比べて軽く流れるようにかけてください。
 
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9. 身頃部分(前身頃、脇の縫い目、後身頃の順に)  
前身頃シャツの肩をアイロン台の角に掛け、全体をかけていきます。
また、ボタン周りはアイロンの先端をボタンの間に入れて押さえます。
 
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10. 脇の縫い目
 
シャツを反対方向へずらしながら縫い目を手で引っ張り押さえます。
 
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11. 後身頃
 
こちらも背中心より半分を台に掛け全体をプレスします。
またタックがある場合は手で整えながら押さえます。
 
 
以上がプレスの一連の流れですので、右半分または左半分も同様の流れでプレスしていき完成です。
※1 シャツに前立てがある場合も手や指を活用しながらシワを伸ばしプレスしてください。
※2 ポケットのあるシャツは下から上へと滑らせるようにかけてください。